【 雑草の種類 】 |
雑草は育てたい草花や庭木の養分を横どりしてしまう
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雑草は、生命力の強い植物ですから、少しでも土があればどこにでも生えてくるガーデニングで一番厄介なしろものですね。
コンクリートのわずかのすき間からも、たくましく茎葉を伸ばしてきて悩まされてしまいます。 まして、植物の育ちやすい土づくりをし、栄養豊かな肥料をたっぷりとほどこした花壇などでは、コレ幸いにはびこります。
ちょっと目を離すと、せっかく種をまいたり苗を植えつけた草花や野菜が見えなくなるくらいに、勢いを増してしまうのです。 そればかりか、自然の中でたくましく育つ雑草は、蝶よ花よと育てられ改良されてきたひ弱な「温室育ち」の草花よりもはるかに生命力が旺盛ですから、幼苗を植えるとすぐに枯らしてしまいます。 |
雑草の種類から土の性質はわかる |
こうした雑草の生え方をよく見ていると、いつも同じ種類のものが勢いを見せているとは限りません。 そのときの自然環境の変化によって、前の年とは違う種類がはびこることもあります。
また、土の酸度によっても雑草の伸び方が違います。 酸性が強いとオオバコやハハコグサ、スギナなどがよく見られるようになります。 これらは、酸性に強い雑草なのです。
そういう意味で、土づくりをする前に、どんな種類の雑草が生えているかを見ることによって、土の酸度を確かめることができるといえます。 酸性に強い雑草が多いようならば、その土は酸性に傾いていることになり、苦土石灰などを入れて酸度調整を行なわなくてはなりません。 逆にいえば、雑草は土の酸度を知る指針となるわけですが、雑草のメリットはせいぜいこれくらいのものです。
基本的には、雑草は、草花や庭木などの取るべき養分を横どりしてしまう悪者だと考えるべきです。 |
【 雑草の種類と対策 】 |
庭での雑草の位置づけ |
雑草というのは、農業の分野ではかなり厳密に種類が決められています。 基本的には作物の生育を阻害する植物として位置づけられています。
これに対して、庭での雑草の位置づけは、“鑑賞の対象となるかどうか”で決まります。たとえば、春に咲くタンポポでさえ、まとめ植えすると異色の花壇ができるかもしれません。 要するに、観賞しようとする草花以外の植物が雑草=不要な植物だということになります。 |
一年草・ニ年草よりも多年草に悩まされる |
雑草対策で最大の方法は、1週間に1回でも庭に出て、見つけしだい抜くということです。
春に生育する一年草・二年草の雑草は、このやり方で解決できるでしょう。 問題となるのは、その後に生育する多年草です。 これは、根茎を地下に伸ばしてそこから発芽してきます。 ですから、あっという問に広がってしまいます。
多年草は、地上に出ている部分を抜くだけでは根絶できません。 根茎が少しでも残っていると、再びそこから発芽していつまでも「イタチごっこ」が続きます。 |
市販の小型の「三角ホー」を使ってかきとる |
雑草をとるときは手で抜きとる方法もありますが、園芸店やホームセンターなどで市販されている小型の「三角ホー」を使うと便利です。 片手で持って、カマで刈るようにかいていきます。
一年草や二年草の小さいうちならば、表面を軽くかく程度で、根も取り除くことができます。 多年草のように、地中に根茎がある場合は、根元の部分に少し突き立てるようにして引き上げると、根茎もずるずるっと出てきます。 これを切りとらずに地中にたぐっていき、できるだけたくさん根茎をとるようにします。 |
雑草で堆肥づくりをするときは要注意 |
雑草を大量に刈りとったときに、それを積み上げて堆肥にするという例をよく見かけますが、注意しなくてはならないことが一つあります。
堆肥の材料にするときは、種ができる前に刈った雑草を使うということです。 雑草は生命力が旺盛ですから、種は堆肥にした場合でも生き残り、施したところで再び発芽してきて悩まされます。 |
【 雑草対策のポイント 】 |
根こそぎ引き抜くこと
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雑草対策ということになると、その方法は、基本的には二つのやり方しかありません。 一つは「ただひたすら抜く」ことであり、もう一つは「薬品を使う」方法です。
雑草を抜くポイントは、必ず根こそぎ抜くということです。 雑草は非常に生命力が旺盛ですから、根が少しでも残っているとまた生長してしまいます。 まして、カマなどで「草を刈る」程度では、地表部分を取り除くだけですからまったく意味がありません。 これらの用具を使う場合でも、必ず土の中へ差し込み、広範囲に広がっている地下茎や根も一緒に取り除いてください。 |
種ができる前に抜いてしまうこと |
雑草とりでは、もう一つ注意したいことがあります。 それは、種ができる前にとることです。
種ができてしまうと、たとえその雑草を抜いたとしてもこぼれ種によってふたたび発芽してしまいます。 それも、より広範囲に広がってしまいがちです。 また、雑草を堆肥の材料として利用する人をよく見かけます。 しかし、この場合も、種ができる前に刈った雑草を利用しなければなりません。
種ができていると、たとえ堆肥化しても生き残った種から発芽してしまいます。 |
【 除草剤を使った雑草対策 】 |
除草剤はたくさん使っても効果は上がらない |
市販されている除草剤を使う場合、一番注意したいのは、早く取り除きたいからと取扱説明書に書かれている使用量以上に使っても、効果は上がらないということです。 場合によっては、弊害が起こることさえあります。
これを踏まえて正しく除草剤を使っている限り、決して害を及ぼすということはありません。 |
状況に応じて使い分けるとよい除草剤 |
除草剤には二つのタイプがあります。 雑草が発生してから使うタイプと発生する前に使うタイプです。
発生してから使うタイプには、水溶液で使うものとエアゾールに入っているものがあります。 広範囲の雑草を対象にする場合は水溶液タイプがよく、少ない雑草を取り除くときはエアゾールタイプが向いています。
発生する前に使うタイプは、どのような場合に使うのがよいのでしょうか。 一つは、前年に大量に雑草が発生した場合などがあります。 そういう場所にはこぼれ種によって、再び出てくる恐れがあります。 あるいは、長期間にわたって留守にして雑草とりができないような場合です。 発生前に使うタイプは、主として粒状になっています。これを広さに応じた適切な量でまくようにします。 |
【 除草剤の使い方 】 |
人体に危険なものもあることを知っておく
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除草剤の中には人体に危険なものもあります。 雑草に悩まされ続けると、つい強い薬を使いたくなります。 強い薬であればあるほど、使い方を誤ると人体にも悪影響を及ぼしてしまいます。 たとえ「家庭園芸用」の除草剤であっても、誤った使い方をすると大変です。
長期に雑草取りができないなどの、やむを得ない場合以外は、原始的ではあっても「手で抜くこと」が確実で安全な雑草対策であることだけは念頭に置いておきたいものです。 |
除草剤の種類 |
市販されている薬品にはほどこす時期やほどこし方によっていくつかのタイプがあり、それぞれ目的や使い方が異なっています。 市販の家庭園芸用の除草剤の主な種類と特徴、使い方のポイントなどを説明しましょう。
@選択性除草剤
「2・4D」が代表的なもので、多くは、広葉雑草に効果のある除草剤です。 イネ科植物には効果がないという特徴があります。 この性質を利用して、イネ科の芝生に生える雑草の除草に使われます。
A非選択性除草剤
すべての植物を枯らす除草剤です。 「レグロックス」や「グラモキソン」のように、ほどこしたのちすぐに分解してしまうタイプと、ほどこしてから1年以上も分解しないタイプ(「クサトール」など)の2種類があります。 すぐに分解するタイプは、庭などでの除草に使うことができます。 しかし、すぐに分解しないタイプは、庭などに使うとほかの植物も枯らしてしまいます。 このタイプは、空き地の除草などによく使われているものです。
B発芽抑制型除草剤
「シマジン」が代表的なものです。雑草の種が発芽するのを抑制する働きがあります。 あらかじめ雑草がたくさん生えそうなところなどにほどこしておく、というような使い方をします。 |
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