【 市販のパーゴラ・キットでDIY挑戦 】 |
最近、ガーデニングなどDIYの視点で設置されることが多いパーゴラです。 比較的狭い場所にも手軽に設置できるパーゴラは、庭の一角に高さと奥行き感を与え、お洒落な概観と癒しの空間を演出してくれます。 もともとの目的でもあるつる草等を絡ませることで、適度な木陰をつくることもできますし、庭木だけのシンプルな構成でhなく庭の雰囲気も一変させることが可能です。 私の庭DIYでも最初に取り組んだのがパーゴラでしたので、作り方やポイントなど少し解説してみます。 |
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パーゴラ・キットからはじめた我が家のDIY庭づくりは、そういう意味では純粋な?DIYとは言えう、ある種の大型プラモデルにも似た単なる組合せ作業でした。ただ、基礎となる木材加工は必要ありませんでしたが、その製作過程はパーゴラ・キットと言えど、塗装作業から支柱の設置・・全体組み立てに至るまで、何もDIYと変わることはなく、ただただ木材加工(寸法取り/切断)の工程が無いだけのDIY作業です。 |
<DIY作業手順:パーゴラ・キット> |
まず真っ先に行うことは、DIYの組み立て作業前に パーゴラ・キット部材全ての 塗装を入念に完了しておくこと |
<組み立て前に必ず塗装する>
キット品であればパーゴラ部材にも最初から塗装して販売されているものもありますが、その場合でも決して購入してスグに組み立てようとせず、今一度入念に塗装していくことをお勧めします。なぜなら市販品の塗装はそれほど充分でなく、多くは2年も経たないうちに剥げてしまうためです。、パーゴラは一度設置してしまうと、高さもあることから(天井部分など)後から塗装する作業が非常に面倒です。なので、DIY作業前には必ず念入りに塗装しておくのがお勧めです。 |
【 パーゴラ・キットでの手順 】 |
キットDIYでも 基礎の水平は正確に |
<基礎部分の作り方>
パーゴラ部材の塗装がすべて終わったら、いよいよ組み立てとなります。 組み立てのまず基本となり最重要となるのは、パーゴラを設置する為の"支柱”を固定する:基礎の配置です。 パーゴラに限らず、庭にフェンスを建てる場合なども”柱の高さ”を一定に揃えるのは基本ですが、特にパーゴラの場合には組み上がったときに上部(屋根にあたる部分)が水平にきちんと取り付けることが出来なくなるので、ここはしっかり正確に水平レベルを保っておくことが必要です。 やり方そのものは単純で、DIYの関連書籍などに載っている「透明のホースに水を入れて、隣の基礎と水を同じ高さになるようにする:水平を測る」というのが誰でも簡単に出来る計り方です。 |
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パーゴラの支柱はそれぞれ地中に埋めた市販の基礎ブロックを台座にして立てていきます。
ただし、単に基礎ブロックの穴に支柱を差し込んでいくだけでは、雨水などが隙間に溜まりそのうち木が腐ってしまいますので、この隙間部分には市販のモルタルを粉状態のまま(水を加えず)流し入れ、その後からジョウロ等で上から水を流します。そうして隙間を無くし固定していきます。
※もちろん、どのように工夫をしても長年設置された木材は必ず風雨によって朽ち果てていくものです。なので、いかにそうした腐食を遅らせることが出来るかが鍵となり、日常のメンテナンスを軽減する手段なのです。パーゴラの「支柱部分だけを取り換える」という作業は困難というより無理ですので、設置前の木材のしっかりとした塗装やその後のメンテナンス、加えて最初の木材の選定段階から念入りに作業をしておく必要があるのです。台風がきたときに強度が弱くなったパーゴラが風で飛ばされないように、“補強”も含め充分な検討をしておきたいものです。 |
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<パーゴラ支柱の更なる固定方法>
念には念を・・ではないですが、我が家ではさらに強力に固定するため、下に敷いた枕木とパーゴラの支柱をL字金具で固定していますので、全体がしっかり頑丈な構造になりました。 |
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<パーゴラ本体の組み立て−1:柱と桁を木ネジで固定>
市販のキット品であれば、柱の上は桁と同じ大きさを部分カットしてあるかと思われますので、両角を合わせるのでなく20〜25cmくらいハミ出すように位置を決め、長めの木ネジでしっかり固定します。 |
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パーゴラの垂木ですが、この部位は市販キットであれば両端はお洒落にカットしてあることが殆どです。そうでなければ自分で加工します。 さらに垂木の下の部分(※桁との接合部)は、桁の木材と同じ幅の溝を1本ずつ丁寧に切り抜きます(※もちろん、パーゴラ・キットによっては、最初から加工されているかと思います。)自分で加工処理する際は、実際の垂木を仮置きしてから、実寸で印をつけていき、その後で切り抜き加工した方が良いです。
このようにして垂木を設置した後には、柱と桁を斜めにカットした木材で補強すると、さらに頑丈なパーゴラになります。 |
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<パーゴラ本体の組み立て−2:桁へ垂木を固定)>
いよいよ完成目前となり、最後は垂木を均等に桁へ固定設置していくだけですが、斜め打ちの木ネジだけでなく、強度を増すためにL字金具で固定していきます(※下からはL字金具が見えないよう、固定は上:天井側から固定するようにします)。 これで一応の完了となりますが、完成したこの状態で再度全体を塗装し直し腐食に強い処理をします(※組立て前と組立て後に二度塗りします)。
ちなみに、木材の材質が違う・・比較的高価なパーゴラ・キットでは、腐食しない材質の非常に硬い木材を使っている場合があるので、ネジ止め前には事前に下穴処理をしておかないと歯が立たないことがありますのでご注意ください。 |
<パーゴラ周りのDIY装飾> |
パーゴラ空間に 枕木を! (アレンジDIY) |
たとえば芝生や土の上に突如として支柱を立ててもよいのですが、そこはあえて枕木を敷き詰めてみました。 こうすることで、ひとつ別の空間イメージが出来上がり、庭の地面とパーゴラが独立した洒落た空間になります。 |
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<パーゴラに植物を絡ませる>
枕木はパーゴラ全体に敷き詰めるのでなく、部分的に空間を空けています。これは、そこを花壇(※草花を植えるための花壇ではありません)にして、パーゴラにつる性植物を植え、そこから全体につるを絡ませるためです。 我が家ではそこへキウイ(オスとメスを1本ずつ)を植えましたが、夏になると葉が生い茂りますので、とても心地よい日陰をつくってくれています。 |
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<パーゴラ天井部分>
(少々見えづらい写真で恐縮ですが)キウイを植え、その蔓をパーゴラの天井にあたる部分へ誘引して張り巡らすために「釣り糸」を何本か見えにくいように張っています。 パーゴラのように太い垂木にはなかなかツルも巻きつきませんが、こうすることで好きな場所に自由に植物の蔓を絡ませていくことができるようになります。 |
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<金具でパゴラの補強>
一般的なt組み立て方としては木ネジを打ち込みますが、それだけでは接合も少々弱いので、主にL字金具を利用ししっかりと固定しています。こうして全て金具でしかり固定することにより、パーゴラ全体を非常に強固なものにすることが出来ます。 |
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<完成したパーゴラの全体像>
高さ205cmありますので、家屋の天井より少しだけ低い程度ですが、ご覧のように木製パーゴラ・キットで、一から木を加工することなく、短時間で組立てることができる規格キット製品によるお気軽DIYです。 藤やキウイなどお好きなツル性植物を植えてあげると、庭の日よけにもなり、少し他と違う寛ぎ空間が誕生します。 |
【 パーゴラ維持管理 】 |
当然の話なのですが木材を使用するパーゴラは、その組み立ての工程だけでなく、完成した後の維持管理作業が非常に重要となります。もちろんパーゴラに限らず木製のDIY製作物に共通する話ですが“木材の腐食”に対しての予防が非常に大切であり、特に背が高いパーゴラにおいては天井部分の塗装も重労働になることがあります。しかもそれは、蔓植物などを絡ませると、簡単には再塗装もしにくくなってしまいます。 |
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<鉄パイプによる補強>
もちろん誰もココまではしませんが、我が家のパーゴラは後にブランコを設置したりハンモックを設置したいと思って作成しているので、さらに強固にするよう黒い鉄パイプを組んでいます。なので万が一木が腐ってボロボロになったとしても、しっかりと強度を保ち、安全性を増しているのです。 |
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<補強パイプ+アルファ機能>
木製以上の強度を保つことによって、単なるパーゴラではなく、別の機能を組み合わせることが出来るようになります。
前述のとおり、我が家のパーゴラには子供用にブランコを取り付けたかったので、ロープを吊るようにして椅子部分の木片を取り付けたり、鉄パイプの部分から直接ハンモックを吊るし、ゴロンと昼寝を楽しめるような空間にしています。 |
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せっかく造ったパーゴラですから、そこにゆっくり腰掛けて日向ぼっこくらいしたいものです。・・ということで、椅子を置いて休息の場にしているのですが、単にプラスチック製の椅子を置いておくのも味気ない気がして、すこし凝った椅子を設置しています。もちろんDIYで頑張って作る必要もないのですが、空間デザインとしてパーゴラと一体感のあるモノをつくるか購入すると、また一味違った格別な空間になりますね。 |
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<少なくても再塗装は1〜2年に一度!>
放っておくと木製作品は(残念なくらいに)あっという間に朽ちてしまいます。当然ながら材質を変えないかぎり100%予防することは不可能です。 それでも定期的に小まめに再塗装を繰り返したり、防水処理を施すことで(それらをしない物と比べ)圧倒的に長い間、寿命を延ばすことが可能です。
我が家のパーゴラも実はDIYで組み立ててから既に10年近く経過していますが、定期的に再塗装を繰り返したお陰で、ご覧のようにまあまあ美しい状態を保っているのです。 |
【 DIYパーゴラ・キット豆知識 】 |
パーゴラとは |
ガーデニングDIYで注目を集めるパーゴラですが、もともとは薔薇やツタといった植物の蔓を絡ませるために格子に組んだ棚のことを言います。したがって日本に昔からある藤棚と大変近い目的のものです。 ただし、公園や一般家庭のパーゴラの中には、このような蔓を絡ませる目的ではなく、単なる庭のオブジェとしてアクセントを与えるために設置されているケースも多いですね。ご自分で実際に設置された方はお判りかと思いますが、パーゴラだけ(植物を配置していないもの)では日差しを遮ったり/日陰をつくったり、日光を柔らかくしたりといった効果は殆ど感じないかと思われます。 |
DIYでのパーゴラ・キットの利点とは |
その構造からして、おそらく単純に2×4木材など市販品をホームセンターで調達し、長さをきれいに揃えて切断し組み立てれば誰でもDIYで簡単にパーゴラ自作を実現することができます。
その場合、パーゴラ・キットを購入してのDIYのメリットですが、、単に最初から寸法通り切断された木材部品が揃って販売されているからだけではなく、(1)木材部品としての耐久性が高い: 風雨にさらされる庭という室外環境にあっても、腐食しにくい木材で提供されているものが存在する。 (2)角材と角材のそれぞれのつなぎ/接合部分がしっかり組める加工がされている、また市販のラティスなど自由に追加で組み合わせることが可能な設計・規格になっていること、 こうした点がパーゴラ・キットを使ったDIYの場合の利点かと思われます。 |
パーゴラ・キット作成時の注意事項 |
比較的に腐食しにくい木材かもしくは防腐処置を施してある部材を使うことの多いキット品のパーゴラですが、だからといって庭に設置した後に何もしなければ早々に腐っていくことでしょう。なので、基本的に木材品は定期的にしつこいくらいの腐食防止措置を行う必要があり、それこそが長くパーゴラを維持する方法です。ですのでDIY設置前の作業だけでなく、庭に設置した後も継続して、(最低でも1〜2年に1回程度)防腐剤や塗料など定期的に塗り直す必要があります。
ただ、ここで少し問題となりそうなのが、(前述の)蔓を絡ませてしまったパーゴラのメンテナンスで、正直この点においては非常に作業性が悪くなります。当然ながら蔓がパーゴラにからまっていては塗装時の邪魔になり、なかなか思うように再塗装ができません。パーゴラDIYを検討する段階から、将来のメンテ作業も考慮し、自分でどこまで出来そうか・・その辺りを計算に入れて取り掛かることをお勧めします。 |
パーゴラ・キットと組合せ |
市販のラティスと組合せたりするとデザインの幅も広がるばかりか、側壁の補強にもなりパーゴラ全体の強度をも増すことが出来ます。 我が家のパーゴラもそのようにラティスと組合せていますが、部材の接着面が格段に増えることから非常に頑丈な構造となり、台風など猛烈な強風の時にも全くビクともしません。
パーゴラをひとつの空間と捉えると、地面上の構造物だけでなく、その下の”床"にあたる部分にも一工夫ほしいものです。そこにはタイルやレンガ等を用いてDIY装飾するのも良いですし、素朴で自然な感じの空間にしたければ、我が家のように枕木を敷き詰めてみても素敵な雰囲気のコーナーに仕上がるかと思います。 |
【 パーゴラにオススメの植物とは 】 |
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パーゴラはそのままでも庭に憩いのスポットを与えるものとなりますが、単純に木材だけの組み立て/組合せだけでは(夏の暑い日に)木漏れ日の木陰を生むような素敵な空間にはなりません。屋根/天井がついていないパーゴラでは、その下にいても意外に太陽光が遮られず、直射日光にさらされる場所となります。 なので、目的や好みに応じて植物をパーゴラに絡ませたりすると、適度な木陰が出来上がり、植物のもつ柔らかさと重なって快適な空間になります。 |
つる薔薇 |
ローズガーデンの中にあるパーゴラに薔薇を絡ませたものを多く見かけますが、どのパーゴラも実はその品種を選定してあるものです。薔薇には多種多様な品種がありますが、あまり葉が茂る品種の薔薇だと、パーゴラの全体像が隠れてしまい、棚の美しさが目立たなくなるので、全体のバランスを考慮し、適度に葉が茂り花を咲かせる品種を選ぶのが得策です。 |
ナツユキカヅラ |
生育が早いのであっという間にパーゴラに茂ってくれるのナツユキカヅラは、真夏の時期に白い花が満開となります。 植え付け時期は5〜7月で、水はけの良い場所に植えてあげます。 |
クレマチス |
非常に人気の高い日本産の品種です。 大きな薄紫の綺麗な花が咲き、パーゴラによく合う植物かと思います。 |
キウイ |
成長が非常に早く少々手入れが大変な面もありますが、幹部はそのうちかなり固く木質化していきますので、パーゴラ全体の強度が増すようにもなります。実をつけるためには、オス・メス両方のキウイを近くに植える必要があり、花が終わると果実を実らせてくれるので別の楽しみ方も広がる植物となります。 |