【 芝を張る場所の整備 】 |
張る場所は全面に土づくりが必要 |
芝を張る場所が決まったら、芝を張る1週間くらい前までに土づくりをすませておきます。
一般的に芝張りの適期は、3月下句から5月下旬です。 このころに張ると、梅雨明けまでにしっかりと根づき、夏の高温多湿の環境にも傷まないからです。 9月中旬から10月上旬にも張れます。
深さ30p程度まで充分に掘り起こし、小石や木の根などを取り除きます。 そこに堆肥を3.3uあたり約2s、化成肥料と消石灰をそれぞれ200g施し、よく混ぜます。
最後に、芝を張る場所全体の中心部分がやや高くなるように整地し、表面をならしておきます。土がふかふかしすぎるとよくないので、板な…どで少し突き固めておきます。 |
【 代表的な芝生の種類 】 |
一言で芝生といっても様々な種類があり、その性質も異なります。
育てやすい種類もあれば、外見的にも美しい種類、雑草や病害虫に弱い種類など、庭や風土の環境にあったものを選ぶことが大切です。 |
ホームセンターで多く販売されている芝生といえば日本芝という種類のものになります。
日本芝は夏の高温にも強いのですが、冬は生育が止まり葉を枯らします。
ただ管理が楽で、はり植えするだけですみ、種まきの必要はありません。
刈り込みもあまり頻繁にする必要がなく、一般家庭の庭園向きの芝といえます。
ゴルフ場などで使われる芝は西洋芝で、年中緑に茂るのが特徴です(日本芝とちがって草がやわらかく、冬場も枯れることがありません。)。
ただ夏の暑い時期は生育に適さず春先の気温が適温なので、夏の高温や冬の低温に生育が期待できません。
また、種をまく必要があり、刈り込みも頻繁にしなければならず手間と維持費が多くかかります。
このように庭の環境(寒冷地や暖地など)によって植える芝も検討する必要があるのです。 |
コウライシバ(日本芝) |
庭造りで最も一般的な芝生です。
葉の間隔が狭いのでキメ細かな美しい芝生の庭が出来上がります。 乾燥にも比較的強い芝生ですね。 |
ノシバ(日本芝) |
コウライシバと同じような性質の芝ですが、葉の間隔が少し広く、比較的冬の寒さにも強いようです。 |
ブルーグラス(西洋芝) |
北米を代表する芝生で、葉の色は濃く美しいのが特徴です。
夏の暑さには比較的強い芝生です。 |
ベントグラス(西洋芝) |
ゴルフ場でよく使われる芝生で、キメ細かく密で柔らかい芝生です。
病害虫に弱いので家の庭には実はあまり適さない種類の芝です。 |
一般の庭では高麗芝を張るのが普通 |
前述の通り、芝の種類を大別すると、西洋芝と日本芝になりますが、一般的な家庭の庭には殆ど日本芝が張られます。 ゴルフのような景色を一緒に楽しむ場所では一年中・冬も青々としている西洋芝を使いますが、夏の暑さに弱いという欠点があり、一般家庭には勧められません。 これに対し、日本芝の中の高麗芝という種類は、寒冷地以外ならほとんどの場所で育ちます。このため、現在では最も幅広く利用されています。 難点は、冬になると枯れることですが、手入れのしやすさからいっても、自分で張るのならばこの高麗芝がお勧めです。 現在販売されているのも、ほとんどがこの種類となっています。
芝は、陽あたりを好む植物です。 一日に最低でも4〜5時間は日照が必要です。庭木の下などにも張っている例を見かけますが、ほとんどの場合では育たないと考えてよいでしょう。 もちろん、建物の陰になるところや、塀の近くなども同様です。
また、排水のよいことも条件となります。雨が降ると水たまりができるような場所は、芝には不向きです。 |
【 庭に芝生を張る/植え方 】 |
芝生を張る季節ですが、春から初夏にかけてホームセンターに芝の苗が多数出回りはじめますので、その頃が適期ということはお分かりいただけるでしょう。
もちろん芝の種を蒔いてはじめから育ててもいいのですが、一般に販売されているマット状になった苗を全面に張っていく植え方の方が、特に初心者には簡単で仕上がりも綺麗・早く完成するのでおすすめです。
芝張りの適期は、コウライシバなどの日本芝の場合は3月〜5月、次に6月、そして、9月後半〜10月です。
※西洋芝は、ちょっと違っていて秋に種蒔きをします。
庭に芝生を張る前には、その場所(床土)をしっかりつくっておかないと、いくら良い芝生でも枯れてしまいます。
普通の庭地として整地されているところなら必要ありませんが、造成地などでまだ荒れたままの場合、芝はりの前に土台づくりから始めます。
掘り返したとき、赤土が出てくるような場合(酸性土質)は、石灰分を混ぜて土を中和させ、また砂地には粘質土を加えてやります。
踏みならしは、土を盛り上げてからすぐにせず、数日間放置したあとでやります。これも、凹みが残らないよう全体を十分平らにし、芝をはったあと降雨などで水溜りができないようにします。 |
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<芝生の植え方/張り方:手順-1>
30p程度庭を掘り返し、雑草の根・石などを綺麗に取り除いてください。
※こうして掘り起こした際には、保水、保肥、通気性のよい土かどうかを調べ、必要に応じて腐葉土などを混ぜ土壌改良すると良いでしょう。 |
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<芝生の植え方/張り方:手順-2>
掘り起こしてデコボコになった庭を丁寧に整地をした後、マット状になった苗を全面に張ってください。
※整地には大きな木片があれば、それを使い可能な限り平面状態にします。また、その際に“水平器”があれば「水はけ」を考慮し、排水の方向へ若干の勾配をつけてやればベストです(※せっかく芝をはっても、水はけが悪いため、雨があがって二、三日してもまだ芝がジクジクしているようではなんにもなりませんし、根ぐされの原因にもなります。
よほど水はけの悪い庭の場合は、基礎づくりのように地下に砂利の層をつくりますが、普通の庭では、地面にわずかな勾配をつけて排水溝に雨水を導くようにし、さらに地面の凹凸をなくしておきます。)。
芝生を並べる際には、隙間なく並べると早く芝庭が完成しますし、隙間をあけて並べれば時間がそれだけかかることになります。また、端の形などは自由に庭の形に合わせて切り込んでも問題ありません。
芝は、置いていくだけではなく、位置を確認したら、板で叩くなどして表土と根がよく密着するようにします。 何度もはがしたり置いたりすると根を傷めることになりますから、位置決めは慎重にしてください。 |

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<芝生の植え方/張り方:手順-3>
目土をかける ※芝生は、生育旺盛になると根が生長していきます。そうすると根茎の節から不定芽や不定根をどんどん出して繁殖していきます。
そこで、上から適量な土をかけて、根を保護し、伸長を促すのが「目土」です。
※さらに、目土作業を行なうことにより、土地の凹凸を無くすこともできるので、、目土作業は非常に重要となります。
※コウライシバなど、日本芝の目土の適期は、6〜7月、もしくは3月です。 |
作業の後は、芝がしっかり根づくまで踏み込まないようにします。だいたい1一ヶ月程度かかります。 |
【 手入れ:芝生を刈る 】 |
マメな手入れと管理が美しい庭の維持には必要ですが、芝庭の場合には(その見た目とは逆に)少々面倒とも思えるくらいの作業があります。
芝は、のびすぎると刈りにくく、また丈ばかり伸びると土中に日光が入らず、傷みの原因になりますので、まめに刈ることが大切です。
刈り込み時期は4〜11月の間で、回数は月2〜3回(生育の激しい7〜8月は週1〜2回)程度です。
見た目もそうですが芝生を刈るという作業は、根元までしっかりと光を当て、生育旺盛な状態にする目的としても重要な作業なのです。
刈り込みによって通風、日照条件が良くなり、雑草や病虫害の防除にも役立ちますのでガーデニングとしても重要です。
※少ない面積ならハンディタイプの芝刈りバサミや刈り込み機で充分ですし、広い面積なら持ち手のついた刈り込み機を購入したほうが楽でしょう。
そうして生育旺盛な状態になったところで、施肥をして栄養補給をしてやることにします。
さらに、根茎が生長を促すため、目土をかけてやることも忘れないでください。 |
一般的にいって、12月〜翌年4月を除いて月に1〜2回のべースで刈り込みが必要となります。 生育の旺盛な夏場は、もっと回数をふやします。 伸びすぎてから刈ると手間がかかるばかりか、トラ刈りになってしまいます。
芝刈りは、スペースが狭い場合は芝刈りバサミを使って行なえますが、普通は芝刈り機を利用します。 手押し式、電動式、エンジン式がありますが、家庭では手押し式で充分です。 芝刈り機は、つねに一方向に均一に動かします。 芝刈り機では刈れない狭いところや縁石沿い、入り組んだところなどは、手バサミやエッジカッターを利用します。
芝の刈り高は、地表から1〜2cmとします。 刈り終わった芝のくずは、そのままにせず、必ず集めて処分します。
下段に述べるエアレーションを行なわない場合は、最後に、芝生が見え隠れする程度まで目土を入れます。 この作業によって、地面の凹凸がならされます。 |
【 エアレーション 】 |
エアレーション |
根茎の生長とともに土中の環境が崩れるので、ときどきエアレーション(※芝生は年数が経つと、刈りクズが根元にたまったり、踏圧で床土が固まったりして、生育が妨げられます。また穴を開けることで芝生の根に空気を供給します。 それで空気が供給されると、微生物が活発になり古い根の分解を促進する効果があります。)をしてやることが、芝生を長い間健康に育てるコツになります。
こうして、目土入れや雑草とり、施肥など手を加えるだけで、きめ細やかな芝生の状態に変身させることができます。
※適期は6月、9月に月1回程度行なえばよいでしょう。 |
地中に空気を入れるエアレーション |
芝を刈り込んだら、次にエアレーションと呼ばれる作業をします。
芝生の上を歩くなどの踏圧で地面が固まってきますから酸素不足になりがちです。 そのため、空気の通り道をつくるために行なう作業です。 ただし、刈り込み作業のたびに行なう必要はなく、芝の生育状況を見ながら、年に1回程度、4〜5月に行ないます。
エアレーション専用のローンスパイクという道具も販売されていますから、これを利用するのが簡単です。
約10cm間隔に、深さ7〜8cmの穴を芝生の全面にあけていきます。 最後に、全面に目土を入れます。 エアレーションの穴にもよく入れてください。
エアレーションだけの場合では、芝刈りのときほど厚くかける必要はありませんが、全面によくならしておきます。
その後しばらくは乾燥しやすいので、晴天が続くようなときは水やりを欠かさず毎日行ないます。 |
【 芝に生えた雑草を取る 】 |
当たり前の話ですが、芝生の庭であるならば必ず雑草が生えてきます。
見た目に問題があるばかりでなく、雑草が生えると、通風を悪くし、日照障害により、生長が衰えます。草取りをしないと、芝は草に食われてどんどん死んでしまいます。芝の根がまだ十分のびきっていない時期には、手で根元からむしり取るとよく、芝根が育ってからは、除草剤を用います(初夏から盛夏にかけての晴天日に散布します)。
雑草とりは終わりのない作業で、気を抜くとあっとい間に雑草が増殖してしまいますので、こまめに根気よく作業していただき美しい芝生の庭を維持してください・・・これもガーデニングを実践するためには必要なことですから。 |
小さいうちに手で抜きとるのがベスト |
雑草が芝生に生えると知らず知らずのうちに増えて、芝を弱らせてしまいます。
雑草対策で、最も簡単にして最大の効果をあげるのは「ただひたすら手で抜く」ということです。 狭い面積ならば、1〜2週間、長くても月に1回、少しの手間をかければ、それほど面倒ではありません。 もっとも、手で抜くにもテクニックがあります。 地表部に出ている部分を取り除くだけでは不完全です。根が残っていれば、生命力の旺盛な雑草はすぐにまた生えてくるからです。 カマなどで、根の部分から完全に取り除くようにします。
また、雑草にも多年草があり、地下に根茎を張ります。 この根茎が残っている限り、また生えてきますから、雑草が集中しているようなところではいったん芝をはがし、根茎から取り除く必要もあります。 このときには、芝生の刈りカスや、すり切れた葉、ゴミなども取り除いておきます。 |
薬剤を使うときは正しく安全に |
薬剤を使い、雑草の発生を防ぐこともできます。 芝生が広くて手作業で抜くことができないなどのときに限って利用するとよいでしょう。
薬剤を使う場合には、芝生用の発芽抑制剤「シマジン」・「バナフィン乳剤」などを使います。
頑固な夏の雑草が発生する前の、5月上旬に芝生全面に散布します。 発芽抑制剤を利用する場合は、使用上の注意書きをよく読んで、正しく安全に使うことがポイントです。 |